Protagonist Character
藤原 誠一郎 (Fujiwara Seiichiro)
Profile
藤原誠一郎は、23 歳の若さで幕府に仕える翻訳官という職に就いていた。生真面目で勤勉な性格は周囲の者には好かれていたが、一方で融通が利かず、時に頑固と評されることもあった。幼い頃から書物に親しみ、言葉の海を探求することに無上の喜びを見出す彼は、鎖国によって海外との交流が制限された世にあっても、世界への飽くなき好奇心を抱き続けていた。彼の仕事場は、常に墨の香りに包まれた静寂の世界。人々は誠一郎のことを、まるで感情を持たない精密な機械のように思っていたが、それは彼の心の奥底に燃える情熱を知らぬが故の誤解であった。誠一郎は、いつか遠い異国の地を自らの足で踏みしめ、そこでしか見られない景色、聞けない言葉を肌で感じたいと、密かに夢見ていたのだ。日々の翻訳作業の中で、彼は幾度となく未知の世界へと旅立つ自分を想像し、胸を高鳴らせていた。



















